最高裁判所第一小法廷 昭和40年(あ)2167号 決定 1966年4月07日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人小泉英一、同枡井雅生の上告趣意第一点は、違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張、同第二点は、単なる法令違反の主張(原判決およびその是認する第一審判決が、第一審判決判示第四の拳銃二丁の所持につき鉄砲刀剣類等所持取締法違反の包括一罪に、実包の所持につき火薬類取締法違反の罪に問擬し、両者を一個の行為にして数個の罪名にふれるものであるとした判示は正当である。)、同第三点は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張、同第四点は違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反の主張、同第五点は量刑不当の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。
弁護人隈部種樹の上告趣意第一は、違憲をいうが、実質は単なる法令違反、量刑不当の主張、同第二は単なる法令違反の主張であって、同四〇五条の上告理由に当らない。
弁護人海野晋吉、同竹下甫、同桑田勝利の上告趣意は、単なる法令違反の主張(記録によれば、所論拳銃のうち第一審判決判示第三のもの、同第四のイタリア製二二口径ベレッタ七四型のものは、被告人が昭和三九年六月二〇日頃に、松本脩より買戻しており、その余のものは、松本脩が被告人から買受けた後、同人が右拳銃を警察官へ任意提出するに際し、所有権を放棄しているから--記録三冊二七一丁、同二〇丁--これらを被告人以外の者に属しないとして没収した点に所論の違法は存しない。)であって、同四〇五条の上告理由に当らない。
よって、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田 誠)